以前我が家にいたらしい、あの子はだれだろう

祖母が生きていた頃、我が家では少し不思議なことが続いた時期がありました。

家族のうち、女性だけが見える女の子がいたのです。

髪の長い、小学生だった妹より少し大きいくらいの白い服を着た女の子が、家の敷地をうろついていたようです。

初めに見たのは祖母でした。

庭を歩く女の子がいて、孫(妹)の友達でも遊びに来てるのかな、と思ったそうですがその日は誰も訪れてはいませんでした。

妹と母は、家の中を歩く女の子を私と勘違いしました。

別の場所から私が現れて、ものすごくおどろいていました。

私が見たのは、部屋でアイロンをかけていたときでした。

開けっぱなしだったドアから女の子が部屋をのぞきこんでいて、はじめは妹だと思いました。

が、続きの部屋を振り向くと、妹は机に向かって書き物をしていました。

もう一度ドアの方を見ると女の子はいませんでした。

このときは母も一緒に見ていて、顔を見合わせて不思議がっていました。

幽霊だったのか、座敷わらしだったのかはわかりませんが、女の子に対して恐怖は感じませんでした。

どちらにしても友好的な存在のようでした。

私が最後に女の子を見たのは、ある朝のこと。

部屋の電気をつけっぱなしにして寝ていて、ふと気配を感じて目を覚ますと、私の掛けている布団の端を、誰かの素足が踏んづけていたのです。

見上げると例の女の子で、女の子は私が起きたのに気づくと、「あ、ごめん」と言って姿を消してしまいました。

私は少し混乱して目を閉じました。

目を開けて見回すと、ちゃんと閉めたはずの襖が僅かに開いていました。

家族の誰かが襖を開けたのか尋ねましたが、誰も開けていないとのことでした。

いちばん不思議なのは、どんな雰囲気の女の子かはわかるのに、だれも顔を覚えていなかったことです。

あの子はいまどうしているのでしょう。

たまに思い出しては気になっています。